サイト売買は売り手市場

リーマンショックを機に一時は落ち込んでいたサイト売買市場ですが、2017年から再びその熱が湧き上がってきています。

売り手市場であるサイト売買市場の背景と、売り手がサイトを売却しようと思ったときに知っておきたい買い手の気持ちについてまとめました。

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1.サイト売買は売り手市場

サイト売買は、サイトを売りたいという人と、サイトを買いたいという人がいて初めてなりたちます。

サイトを欲しいと思ったときに、まず考えるのは「ゼロからサイトを立ち上げる」ことだと思います。それは業者に依頼するか、立ち上げるかの2択で考える人が多いでしょう。そこに「すでに運営されているサイトを買う」という選択肢はないのではないでしょうか。

しかし、これからサイト売買をやる人が増えてくる中で、さらに相変わらずサイトを欲しい人が増えていき、「サイトを売って欲しい!」という企業や人が増えてくるでしょう。

サイト売買は当初から売り手市場と言われていましたが、今後も売り手市場は続いていくのではないでしょうか。

1-1.サイト売買の歴史

ここでサイト売買の歴史を少し振り返ってみましょう。

日本でサイト売買が注目されるようになったのは2000年頃で、2000年に10月にサイバーエージェントがツボックから「懸賞のつぼ」というサイトを購入したことで話題になりました。

その後も楽天やライブドアなどの企業が大きなサイトを購入したという歴史がありますが、アメリカで米Googleが動画共有サイトの「YouTube」を買収したのは、サイト売買の中でも大きな話題を呼んだ案件です。

このように、サイト売買の歴史を見ると企業が大きなサイトを売買する案件が話題になっているので、サイト売買は企業がやるものだというイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、今では個人や中小企業が小規模サイトを売買する案件も増えてきており、サイト売買の幅も広くなってきています。

2.買い手の気持ちを考えて見る

さて、サイト売買は売り手市場という状況が続いていくだろう、と述べましたが、買い手がたくさんいるからといって売りに出される全てのサイトが購入されるというわけではありません。

買い手はできるだけ自分のニーズにあった質の良いサイトを欲しいと思っています。しかもそれをできるだけ安く買いたいと思っています。

優秀なサイトはすぐに買い手が何人も付きすぐに交渉が始まりますが、質の悪いサイトはいつまで経っても買い手がつきません。

売り手がいて、買い手がいて、初めてサイト売買が成り立つわけですので、売り手側は「買い手の気持ち」を考えることが重要になります。

もし、サイトを売却することを目的に立ち上げようとしている人がいれば、これから紹介する買い手の気持ちを理解した上で構築していくと、買い手がつきやすくなるでしょう。

2-1.買い手が欲しいものは?

サイト売買を検討している買い手が求めているものはやはり経営資源です。つまり「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」です。

「ヒト」「モノ」「カネ」についてはこれらの経営資源を求めていることは良く分かりますが、それよりも特に「情報」が重要視されることも多くなっています。中には、サイト自体ではなくて「サイトの運営ノウハウ」が欲しくてサイトを購入する企業もあります。

ちなみに、サイトの運営ノウハウの全てを譲渡しなければいけないということではありません。サイト売買の契約によってはノウハウを譲渡しない契約をする案件もあります。逆にいうと、購入側はサイトと一緒に運営ノウハウまで譲渡してもらえると思い込んでいることが多いので、その点は契約の段階で話し合っておくことが大切です。

2-2.買い手が大切にしたいもの

買い手にとって一番大切にしたいのは「PL(損益計算書)」です。サイトの価格が決まる査定基準の一つに「収益性」がありますが、査定基準の中でも重要な項目であるように、収益性はサイトの価値を判断しやすいです。

参入障壁が低く、初期投資も少なくて済むインターネット事業ですが、安定して収益を上げるようになるまでは、思っている以上に時間がかかるものです。業者に依頼してサイトを立ち上げるまでも数ヶ月の時間と労力がかかる上に、サイトが納品されてから収益を上げるまでに、数ヶ月、あるいは一年以上かかることも稀ではありません。

そういったこともあり、少しでも収益が上がっているサイトは買い手がつきやすくなります。

2-3.買い手にとって魅力的なもの

買い手が欲しいもの、大切にしたいものにプラスして、魅力的と感じるものがあります。ここまで買い手の気持ちを考えることができれば、非常に良い取引ができるのではないでしょうか。

・ネームバリュー

ネームバリュー、つまり有名なサイトを所有できることは企業にとってはとても魅力的です。例をあげれば、「YouTube」という世界的に有名な動画共有サイトは魅力であったため、Googleは買収を決めました。

サイトをゼロから立ち上げて有名サイトまで成長させるのは時間がかかりますし、難しいことでもあります。そういった時間と手間を短縮できるのも魅力でしょう。

・取引先、仕入先

取引先・仕入先は直接的な経営資源ではありませんが、商流も含めて譲渡してもらえることは魅力的です。ネットショップを始めようとしているときに、すでに運用されているECサイトを買収するのではなくて、取引先・仕入先まで抑えてしまえばネットショップ事業の立ち上げを早めることができます。

ただし、契約によっては取引先・仕入先まで譲渡してもらえないこともあるので、もし商流までサイト売買に含むと考えているのであれば、サイト売買契約書を作成する前に売り手に確認をしておきましょう。

・ユーザー情報

サイトにはそのサイトを訪れてるユーザーの属性が必ずありますが、そういったユーザー情報は価値と認められ、魅力です。サイト自体が収益を上げていなくても、サイト周辺に存在するユーザー情報が評価されてサイトが売れることもあります。

趣味やニッチな分野で集まっているサイトは人気が出やすく、さらに男女でいうと女性のほうがネットでの消費単価が高いため女性が集まるサイトは価値が高くなる傾向にあります。

まとめ

サイトはネット上のもので、形のないものです。それゆえ、サイト売買は契約締結までネット上で完結してしまうこともあります。ネットで完結するものはどうしても相手の存在を忘れがちですが、画面の向こうには必ず人間がいます。

今回は売り手市場ということで、売り手の視点に立って買い手の気持ちを考えていきましたが、もちろん売り手の気持ちも考えて売買することも大切です。

サイト売買でトラブルが起きてしまい後味が悪い取引になってしまったという事例もありますが、両者の気持ちを考えた取引が行われれば、トラブルも減っていくはずです。

また、当事者間での取引になると、どうしても両者が主張し合って感情的になってしまうこともあります。第三者を介した売買をすることも、スムーズな取引をする秘訣です。