サイト売買の方法と契約締結までの流れ

サイト売買がどのように行われて、契約締結までにどんな手順でどんなことが取り決められるのか知らない人も多いのではないでしょうか。

今回は一通りの流れを解説していくので、一つひとつの項目は概要がわかるようにまとめています。具体的に詳しく知りたいという方は、各項目、各所に具体的なことを解説している記事のリンクを載せているので、合わせてご覧いただければと思います。

zikeidancta

サイト売買の方法と流れ

まずはじめに、サイト売買の大まかな手順を紹介します。

  1. サイトの情報をまとめた資料を作る
  2. サイトの希望売買価格を設定する
  3. サイトの買い手候補を見つけてアプローチする
  4. サイト売買の交渉を進める
  5. サイト売買の基本合意書の締結
  6. サイト売買の最終契約締結
  7. サイトの引き継ぎ

売買されるサイトの規模によっては途中途中で流れが変わることもありますが、基本的にはこのような流れでサイト売買が行われると思っていただいて差し支えはありません。

では、一つひとつの流れの詳細を確認していきます。

1.サイトの情報をまとめた資料を作る

サイトを売る前に、サイトを買う側の気持ちを考えてみるとどのような情報が欲しいかがわかってきます。

サイトの購入を考えている人は、経営資源の獲得を望んでいますが、その経営資源は、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」4つがあります。モノはサイト自体、カネは収益なのでわかりやすいと思いますが、「ヒト」「情報」はイメージが付きにくいかもしれません。

「ヒト」とは、サイトを運営する担当者やチーム、ライターなどが挙げられます。サイト売買というとサイトのみの譲渡になるイメージがあるかもしれませんが、運営者ごと譲渡されることもあります。

「情報」とは、サイト運営のノウハウや商品の仕入先の情報などです。ウェブマーケティングをやっていなかった企業にとっては、ウェブと言われても何をやればいいかわからないという企業がほとんどです。

そのような企業によってはサイトと一緒にそのノウハウまで獲得できるのは非常に大きなメリットになるのです。

買い手にとって、これらの点は最低でも知っておきたい情報です。つまり、サイトの記事数やデザインだけではなくて、内部の情報を知りたいと思っています。その点を踏まえてまずはサイトの基本情報をまとめていきます。

サイト売買は売り手市場ですが、だからこそ買い手の気持ちを考慮するとサイト売却もスムーズに行きやすくなります。「サイト売買は売り手市場」こちらの記事で買い手の気持ちについてまとめているので参考にしてください。

1-1.サイトの基本情報をまとめる

サイトの基本情報をまとめるときは、

  • サイトの損益情報
  • アクセス情報
  • サイトの運用情報

についてはまとめておくと親切です。ただし、売却相手が決まっていない状態で全てを公開する必要はありません。詳細な情報は実際に契約の基本合意の際に公開します。

2.サイトの希望売買価格を設定する

サイトの基本情報と特徴をまとめると、サイトのある程度の価値がわかってくるので、その情報をもとにサイトの希望売買価格を設定していきます。

サイトの売り手側としたらできるだけ高い値段でサイトを売りたいと思うかもしれませんが、サイトの価格を高く設定しすぎてしまうとそもそもサイト売買の交渉に至らないこともあるので、交渉の余地を残して高めの設定をすると良いです。

サイト売買はサイトの価格の相場はありませんが、一般的に言われている価格の算出方法があるので、それをもとにベースの希望価格を決めていきます。

【参考記事】サイト売買の相場とサイトの価値を決める基準

2-1.サイトの収益を元に算出する

現状で上がっている収益を元に価格を算出する方法です。一般的には収益の12ヶ月~18ヶ月分の価値が付くと言われています。

これは、サイトを継続して運用していれば得ることができることを想定した「継続価値」として評価されます。

2-2.収益以外の価値を算出する

収益以外の価値としては

  • サイトの会員数
  • UU、PV数
  • SEO
  • 独自性、将来性

などがあります。

これらの価値は主観的に判断することは難しいため、第三者による客観的な査定をしてもらうと良いでしょう。のちに解説するデューデリジェンスは、サイトの価値を査定してもらうため方法の一つです。

3.サイトの買い手候補を見つけてアプローチする

サイトの基本情報が整ったら、早速買い手候補を見つけてアプローチをしていきます。その際にサイトの価値を提案することになりますが、買い手に興味を持ってもらえなければサイトを買ってもらうことはできませんので、買い手のニーズに合わせて、まとめた基本情報だけでは伝わらないことを口頭で説明していきます。

そして、買い手にアプローチする方法は大きく2つあります。

3-1.直接交渉する

買い手の企業を見つけて直接交渉するケースです。人脈を使ってサイト売買の話が流れ込んでくることもよくあるケースです。

3-2.仲介業者に依頼する

サイト売買の仲介業者やサイト売買のポータルサイトに情報を提示して買い手が現れるまで待つケースです。ただ単に情報を掲載するだけの業者や買い手と売り手をマッチングしてくれる業者など、サービスは業者によって様々です。

4.サイト売買の交渉を進める

サイトの買い手候補となる企業が見つかってきたら、交渉を進めていくことになります。いよいよ本格的にサイトを売買するかどうかの話が進んでいきます。

4-1.情報を開示する

基本情報よりも深い内容の情報を開示していきます。ここでメールでの質疑応答や直接面談等を行いながら、サイトの運営状況やサイト売買の経緯を確認していきます。

4-2.踏み込んだ商談

サイトの運営ノウハウや、仕入れ先の情報、一連の事業スキームの確認を行い、実際に譲渡される際の流れや場合によっては人員の移動についての商談も進めていきます。

実際に成約を目指した商談になるので、この段階である程度お互いに合意できれば、基本合意書の締結に進みます。

5.サイト売買の基本合意書の締結

サイト売買の最終契約を締結する前に、ここで一旦、今まで話し合ってきた条件などを確認するために基本合意書の締結を行います。売買されるサイトの規模感によっては基本合意書の締結をしないで最終契約に進むケースもあります。

基本合意書での確認事項は以下の4つが一般的です。

  1. サイトの売却価格:事業譲渡の対価となる金額
  2. 譲渡対象物:サイトそのもの以外に、ドメイン、会員情報、仕入れ先など
  3. 譲渡期限・譲渡期日:譲渡対象物を引き継ぐ期間・期日
  4. 有効期間:基本合意書自体に効力がある期間

6.サイト売買の最終契約締結

サイト売買の最終契約締結は契約書を用いて行われますが、契約書を作成したことがない方にとっては契約書の作成は難しいことだと思うかもしれません。しかし、契約書は基本的な構成は決まっているので、構成通りに作成すれば難しすぎることはありません。

ただ、当然ながら最終契約書に記載されることが効力を持つことになるので、漏れなくしっかりと記載事項を確認したいところです。特に当事者間でサイト売買を行う場合は両者にとって不備はないかしっかりと確認するようにしましょう。

6-1.契約書の構成

契約書の構成は以下の通りです。

①前文

前文は必ず必要ということではありませんが、契約書の内容をわかりやすくするために記載しておくことが一般的です。

その際の契約書の主語「甲」はサイト売却者になり、買収者が「乙」になります。

②条文

契約書のメインに当たる部分です。サイト売買の譲渡対象物やそれに付随する権利などについて、交渉した内容を記載していきます。

  • 売買対象になるウェブサイトの特定
  • 売買の合意
  • ウェブサイトに付随する権利について
  • 売買価格
  • 売買方法や引き渡し期限
  • 善管注意義務
  • 競業禁止義務
  • 責任追及
  • 経費の支払い
  • 秘密保持義務
  • 契約解除
  • 損害賠償
  • 専属的合意管轄
  • 特記事項

ここで記載漏れがないか、また不利な条項が記載されていないかを再度確認しましょう。ここで記載されたことが最終的な取り決めになるので、細かく確認します。

特に最終契約書の作成の段階で揉めがちなのは「瑕疵担保責任」「競業避止条項」です。これらについては必ず議論になるので、取引がある程度決まった段階で確認しておくことをおすすめします。

③協議事項と署名

契約書に記載しなかった事案が発生したし際に再度協議の場を設けるかどうかの協議事項に関する一文を記載します。

また、売買契約書を二部作成して、記名、捺印をしてそれぞれ一部ずつ保管しておくことも記載しておきましょう。

[aside type=”normal”]契約書の作成だけ弁護士に依頼することもできるので、不安であれば費用がかかっても依頼することを検討してください。「サイト売買契約書の項目と6つのチェックポイント」こちらの記事も参考にしていただき、契約書の重要性についても認識していただければと思います。[/aside]

7.サイトの引き継ぎ

契約締結後も気を抜けません。ここでサイトをスムーズに引き継ぐことができるかどうかで、その後のトラブルにもつながってしまいます。

基本的には契約書の内容を元にサイトの引き継ぎを行います。

7-1.運用マニュアルを用意する

購入者からサイトの運用マニュアルを求められることが多いです。ここでマニュアルを作成するのは手間になってしまうかもしれませんが、事前にある程度の運営フローを確立させておくと良いでしょう。丁寧なマニュアルを用意すると売買後の印象も良く、トラブル防止にも繋がります。

まとめ

サイト売買の流れは把握できたでしょうか?

サイト売買の流れをもう一度まとめると、

  1. サイトの情報をまとめた資料を作る
  2. サイトの希望売買価格を設定する
  3. サイトの買い手候補を見つけてアプローチする
  4. サイト売買の交渉を進める
  5. サイト売買の基本合意書の締結
  6. サイト売買の最終契約締結
  7. サイトの引き継ぎ

このようになっています。

具体的な成功事例をもとにサイト売却の流れを「【成功事例】サイト売買の流れを具体例をもとに紹介します」こちらの記事で紹介しているのでケーススタディとして参考にしていただければと思います。

取引されるサイトの規模感によっては、もっとしっかりと手順を踏んで契約締結まで行うこともあれば、簡単な手続きで契約締結することもあります。

前者であればしっかりとやっているので心配は少ないですが、後者の場合は手軽にやってしまうがために、契約締結後に「あれがない、これがない」とトラブルになりやすくなってしまいます。

今回紹介した内容だけでなくて、メリット・デメリットや周辺の問題など、知っておいて損はないことはまだまだあるので、ぜひ一通り情報を入れてみてください。

サイト売買は今後伸びてくると予想される市場です。一連の情報を把握しておけば、事業の幅が広がっていくかもしれません。