サイト売買でデューデリジェンスを行うべき6つの理由

サイト売買において、もっとも重要で時間が掛かるのがデューデリジェンスです。サイト売買を成功させるデューデリジェンスのコツを説明します。

「サイトの買い手候補が見つかり、合意書(LOI)が締結されました。しかし、その後のデューデリジェンスがなかなか進まず、サイト売買は暗礁に乗り上げてしまいました。」

これはサイト売買において、しばしば遭遇する場面です。

特に大規模なWebサイトの買収の場合、デューデリジェンスはサイト売買の流れの中で最も時間がかかるプロセスです。ウェブサイトのデューデリジェンスは難しい作業かもしれませんが、正しいアプローチで綿密な作業を行うことで、問題なくサイト売買を完了することができます。

売買目的でサイト評価を行う場合には、常にデューデリジェンスを意識することが重要です。

1.なぜデューデリジェンスを実施するのですか?

デューデリジェンスとは、売り手が提供している資料やサイトの売買価格に根拠があるかどうかを確かめる作業です。サイト売買契約を締結する前に、欠かすことができない重要なステップです。

従って、ウェブサイトを評価する際には、オフラインとオンラインの両方から、綿密なデューデリジェンスを実施するべきです。綿密なデューデリジェンスを行うことにより、買い手と売り手の双方は、売買取引の正当性に確信を持つことができます。

2.サイトデューデリジェンスは事実を元に価値判断を伝える

少し難しい言い方をするならば、、デューデリジェンスとは、客観的な事実(科学)を使って、主観的な価値判断(芸術)を伝えることです。

デューデリジェンスにおいて、正しい方法または間違った方法があるわけではなく、サイト情報の解釈は、人によって大きく異なります。賢明な投資家は、デューデリジェンスに徹底的に取り組み、膨大なデータの分析し、最終的には直感で決断をくだします。

デューディリジェンスの過程で問題となる事実を発見した場合は、売買契約書を締結する前に確認しなければならないし、サイトブローカーなどの専門家に助けを求めるべきです。

デューデリジェンスの方法はさまざまですが、どのくらい詳細な作業を行うべきかは、投資の規模、関連リスク、インターネットビジネスやウェブサイトの性質などによって異なります。従って、綿密な計画を立てた上でデューデリジェンスを行うことが大切です。

ウェブサイトのデューデリジェンスを実行するにあたり、重要な6つの分野を順番に説明します。

  1. トラフィック
  2. 財務
  3. オーナー
  4. 運営
  5. テクニカル
  6. 法務

これらの6つの分野の中で何をもっとも重要だと考えるかは、サイトの買い手によって異なります。また、サイトのビジネスモデルによっても重要な分野は異なります。

とはいっても、これらの6つの分野については、すべてデューデリジェンス作業を行ってください。そうでなければ、サイトの価値を証明することはできません。

2−1.「トラフィックの証明」 通過前のトラフィックの評価

トラフィックの証明はサイトへ流入したトラフィックを分析し、異常をチェックし、リンクプロファイルが自然であることを確認することです。

たとえば、Googleアナリティクスを使用してトラフィックを評価するとき、トラフィックからによる広告収入等が損益計算書に正しく計上されており、トラフィックを得るために発生した費用金額と発生したトラフィック量の整合性が取れていることを確認します。

売り手との透明性は重要です。売り手がトラフィックの購入元を完全に公開せずに購入している場合、重大な虚偽表示が存在している可能性があります。

トラフィック量が適正に見えても、トラフィックソースには検証が必要です。開示されていない有料リンクやスポンサーリンクがないか探すことは重要です。

たとえば、上位にランクされる、多数のリンクを持つサイトは資料の上では良いサイトのように見えるかもしれませんが、実は、売り手はリンク元に多額の手数料を支払っているかもしれません。

一般的なリンクプロファイルを評価するために、過去6ヶ月から12ヶ月間に追加されたバックリンクの数と追加内容を調べることをお勧めします。

その他、トラフィックの検証に有効なチェック項目には次のものがあります。

・サイトの平均滞留時間

各訪問者がサイトで費やす平均時間はどれくらいですか?30秒未満であるなど滞在時間が短い場合には、サイトのリンクの質やユーザーエクスペリエンス(UX)が今後低下する可能性があります。

・訪問したページ数

訪問者が閲覧しているウェブページの数が高い場合は、サイトのコンテンツが魅力的で、訪問者の支持を得ている可能性が高くなります。

・トラフィックと財務

ユニークビジターの数がサイト収入にどのくらいの反映されているか、そこに相関関係が見られない場合、トラフィックの質とその発生源に問題がある可能性があります。

・トラフィックソース

トラフィックはどこから来ていますか?トラフィックソースには、検索、ソーシャルメディア、紹介などが含まれます。

不安定であるとされる特定のトラフィックソースに依存していませんか?また、トラフィックソースは、ウェブ環境の変化(レスポンシブ)に対応していますか?

完全な情報開示を行うため、売り手は、買い手のGoogleアナリティクスへゲストとしてアクセスする許可をとり自らトラフィックを検証できるようにするべきです。

2−2.「財務検証」 財務状況の評価

財務検証はデューデリジェンスと購入プロセス全体にとってとても重要な段階です。サイトを取得する際には、サイトの過去および現在の財務状況を十分に理解していることが重要です。そのためには事業開始当初から現在まで、正確かつ詳細な財務記録を維持されていることを確認してください。

毎月のアフィリエイト明細書および、販売代理業者の明細書を売り手の預金通帳や銀行口座取引明細と照らし合わせてチェックすることから監査作業を開始します。

税務申告は頻繁に要求されますが、財務の数字自体としてはあまり重要ではありません。ほとんどのインターネットビジネスやウェブサイトはオーナーが管理していますが、個人および法人の事業は、売買の対象となっている単独のサイトだけで行われているわけではないからです。

但し、税務申告書からは財務だけでなく、その他の情報を取得することができますので、必ず取得するようにしてください。

財務監査の中心は、売上を証明するアフィリエイト等の明細書と銀行の口座取引証明書の組み合わせとなります。

・財務資料のチェック

財務資料のチェックはデューデリジェンスにおいて最初に行うべき作業です。

財務デューデリジェンスの精度をあげるため、買い手側は売り手側に対し、アフィリエイト業者、オンラインバンキングへの、PCスクリーンのライブ画面共有を要求すべきでしょう。

また、サイトに関連する過去、現在、将来の債務の状況を追跡することも重要です。商工リサーチ等、企業の信用格付が存在する場合は、そこからチェックを開始するのもいいでしょう。

そうすることで、サイトが財務的な視点から健康な状態かどうかを評価することができます。

2−3.「所有者の確認」 あなたは誰と対処しているかを知る

サイトの所有権の確認はとても重要です。所有権の確認とは、所有者が誰であるかを確認することです。オフラインの世界とは異なり、売り手と買い手がサイト売買の交渉中に対面することはないかもしれません。

売り手が会社、業界、社会でどのような評価を受けているか、売り手のバックグラウンドチェックはあなたの検証作業の重要なステップとなるはずです。

ソーシャルメディアの成長はチェックをより簡単にしました。Facebook、Twitter、LinkedInなどで売り手を探して見てください。売り手に関する情報がなかり詳細に分かるはずです。

2−4.「技術的検証」 問題サイトへの投資を避ける

サイトの種類とその基盤技術によっては、そのサイト特有の技術的なリスクのレベルを知っていることが重要です。移転後、技術的な問題によってサイト運営の継続性が危険にさらされるようなことがあってはいけません。

WordPressで運営されているコンテンツサイトでは、使用されているプラグインの監査を行い、販売者がライセンス料を支払っていることを確認します。

SaaSおよびソフトウェア事業については、ソフトの真正性を保証するためのチェックを行うと同時に将来の改訂についての保証を取るようにしてください。

2−5.「動作検証」 タスクの先読みのサイズの理解

正式なオファーを行う前に、サイトの運営を行うために必要な労働力を確認する必要があります。正確な時間/労力を知ることは困難ですが、売り手は、サイト管理業務を遂行するのに必要な時間数の業務ごとの見積もりを提供することができるはずです。

この情報を分析することで、サイト運営に必要な労働力を正確に見積もることができます。

2−6.「法的検証」 法律に従う

売り手にとって合法なサイト事業が買い手にとって違法である場合があります。サイトの購入を考える前に、サイト購入後、合法的に運営することができるのかを確認する必要があります。

取引サイトの規模が大きくなるにつれ、より詳細な法務デューデリジェンスが必要になります。合法性やライセンス以外の一般的な法律上の問題には、商標権侵害や画像ライセンスなどがあります。

【参考記事】知っておきたい!サイト売買に関する法律まとめ

3.サイトデューデリジェンスの重要性まとめ

デューデリジェンスは、あらゆるビジネス売買取引において重要です。買い手にとっては、購入決定に影響を及ぼす潜在的なリスクを特定し、議論する最後の機会となります。

6分野のデューデリジェンスをこれまでに説明したプロセスに従って実行すれば、基本的には十分な領域をカバーすることができますが、サイトのビジネスモデルによっては、取引の仕組みに合わせて異なるアプローチを取ることも重要です。

不明なことがあれば、必ず専門家に相談することをお勧めします。一番大切なことは、決してデューデリジェンスを行わずにウェブサイトを購入しないということです。買い手によるデューデリジェンスの重要性については「サイト購入に伴う責任とデューデリジェンスの重要性とは」こちらの記事をぜひ読んでいただきたいと思います。