株式投資に必要不可欠な適時開示情報を詳しく知る

「適時開示」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

適時開示(てきじかいじ)とは、公正な株価等の形成および投資者保護を目的とする、証券取引所に上場した会社が義務付けられている「重要な会社情報の開示」のことをいう。
参照Wikipedia

適時開示という言葉は耳慣れないかもしれませんが、「業績予想の修正」という言葉は聞いたことがある人も多いかもしれません。こうした情報が、適時開示になります。

適時開示は投資者に対して、広くタイムリーに重要な会社情報を伝えるものです。

最新の上場会社情報をすばやく、公正かつ正確に提供する適時開示制度の重要性は、投資家が的確な情報を迅速に入手するため、今後もますます高まっていくでしょう。

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1.投資判断の情報ルート3種

有価証券が売り出される際には、発行企業の経営成績や事業内容などの情報が開示されていなければ投資判断が難しくなります。

そこで株式を公開する企業には情報開示をすることが義務付けられています。

1-1 金融商品取引所の規則に基づく開示

適時開示は金融商品取引所(証券取引所)の規則に基づき、上場会社が業務や運営、業績などに関し具体的に開示する情報であり、投資家の投資判断に影響を与える重要なものです。

適時開示は、東京証券取引所のTDnet(タイムリー・ディスクロージャー・ネットワーク)を通じて行うことが義務付けられています。

具体的には、自己株式の取得などに関する決定事項や、決算短信などの決算情報、業績や配当の予想の修正などが挙げられます。

全国の証券取引所の上場企業が、このTRnetで開示を行っていて、31日間は閲覧が無償でできます。

1-2 法令に基づく開示

同様に、上場会社が投資家に対して開示することになっている情報にはほかに、「有価証券報告書」、「四半期報告書」、「臨時報告書」といったものがあります。

これらは金融商品取引法に基づき開示する法定開示であり、流通市場に対し有価証券の発行者に求められる継続開示です。

1-3 任意開示

また、法律や規則で開示を求められていない任意開示というものもあります。

こちらは企業がIRなどを目的に、それぞれの判断で行うものであり、HPにIRのページを作っている企業も増えています。

IRとは、インベスター・リレーションズの略で、企業が投資家に向けて経営や財務状況、業績に関する情報など、投資判断に必要な企業の情報を随時公平に継続して自発的に発信するものです。

投資家に対する広報活動であり現在は個人投資家向けのIR活動も増えています。

2.適時開示に違反した場合

適時開示は投資者保護と市場機能確保といった観点から、1999年から規則により義務化されました。

金融商品取引所により規則が定められているため、事実上その金融商品取引所に上場している会社には強制力を持ちます。

適時開示にかかわる規定に抵触したと認められる場合、金融商品取引所では注意を促します。

また、規定に違反したと認められる場合には、「公表措置」「上場契約違反金の徴求」「改善報告書の徴求」「注意銘柄への指定」などの措置が行われることがあります。

重大な違反の場合、上場廃止といった制裁も課せられます。実際に、適時開示の遅延によって上場廃止となった企業もあります。適時開示ではタイムリーに情報を開示する、即時性も重要となっているのです。

3.適時開示の主な内容

適時開示が必要となる事態は、主に6つに分けることができます。

こうした事態になっても、重要でなければ適時開示する必要はなく、その重要度はそれぞれに金額基準が設けられています。

・上場会社の決定事実(上場有価証券に関する権利等に係る重要な事項についての決議または決定の情報)

新株発行、資本金の額の減少、自己株式の取得、業務上の提携やその解消など

・上場会社の発生事実(経営に重大な影響を与える事実の発生に係る情報)

災害に起因する損害、主要株主の異動、取引先との取引中止、株主総会の招集請求など

・上場会社の決算情報

決算短信、四半期決算短信、業績予想の修正等、配当予想の修正等

・子会社等の決定事実

子会社等の合併等や合併、子会社等の新たな事業の開始、子会社等の運営や業務に関する重要な事項など

・子会社等の発生事実

子会社等における災害に起因する損害、子会社等における訴訟の提起や判決等、子会社等における資源の発見など

・子会社等の業績予想の修正等

4.災害発生時の情報開示

災害発生時の情報開示としては、任意の開示、適時開示、有価証券報告書提出会社による臨時報告書などが挙げられます。

このうち適時開示では実際に東日本大震災や熊本での大震災直後に各企業が開示を行っています。自社サービスの影響自体は詳しく開示できない段階であっても、精度よりもスピードを重視した開示が多くなっています。

社会貢献の観点から災害時用のサービス提供について素早く開示している企業などは、消費者として歓迎できるものではないでしょうか。

5.株価に影響の大きい適時開示

日本企業の多くは、4月から翌3月までの1年間を1会計期間として、損益を算出する3月期決算となっています。決算情報としては、「有価証券報告書」と「決算短信」があります。前者は法定開示であり、法律によって開示が義務付けられています。

上場企業だけでなく、条件を満たした会社に提出義務があり、公認会計士による監査報告書も必要です。虚偽記載があれば、重い罰則があります。事業年度終了後3か月以内に提出するものです。

後者の決算短信は適時開示の1つで、上場企業の決算や概況等の記載もあり、決算の速報版とも言えます。決算から30日以内の提出が望ましく、少なくとも45日以内の提出が求められています。

ですから、速報の決算情報として決算短信は重要な投資判断材料となり株価にも直接影響します。

また、業績予想の修正といった適時開示があり、これは決算短信よりもさらに速く開示されます。

決算短信には来季の業績予想が記されますが、売上高や利益の予想値をある一定以上修正する場合、業績予想の修正に関する適時開示が必要になります。株価はこの業績予想の修正に反応します。

また、この修正が開示されない場合は業績予想通りになると認識され、それもまた株価に反映されることになるのです。

つまり、業績予想の修正や、決算短信といった適時開示は、最初に出される決算に係る情報ということで株価に大きな影響を与えるのです。

最後に

投資家でなくても、企業の動向を知る上でこうした適時開示を見てみるのもおもしろいかもしれません。日本経済新聞では、適時開示ランキングを公開しています。

http://www.nikkei.com/markets/ranking/disclose/disclose.aspx

これは、各企業が発表した開示情報が、どのくらい読まれているのかアクセス数の多いランキングになっているものです。また適時開示を手軽に見られる無料アプリもありますので、興味のある方は探してみてください。


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