ネットに書き込んだ人物を特定する方法3裁判上のIPアドレス開示請求

前回の記事で、裁判所を使わないで
情報を開示してもらう方法についてお知らせしました。

しかし、
のらりくらりと理由を付けて
情報を開示しない業者がいるのも確かです。

そんな時は、
裁判所の命令をとってしまうのが早いのでお薦めです。

100%情報開示ができるということではありませんが、
裁判所の命令があればスムーズに運ぶ可能性が高くなります。

通常、弁護士が行う作業ですが、
自分でできないことではありませんし、

弁護士に依頼するとしても、全体の流れを知っておくと
安心できると思いますので参考にしてください。

 

 

目次

  1.  なぜ仮処分を出すのか
  2.  裁判所に仮処分を提出する
  3.  ログの保存請求
  4.  まとめ

 

 

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1.なぜ仮処分を出すのか

裁判所に対する訴訟手続きには、
本案と仮処分の二つがあります。

このような情報開示請求の場合は、
仮処分の申請を行います。

なぜ、仮処分の申請を行うかというと、
簡易・迅速な手続で、本案とほとんど同じ内容を実現することができるからです。

ただ、デメリットがない訳ではありません。

ほとんどのケースで、
担保として保証金が必要となります。

また、原則として別途本案訴訟を提起することとされているので、
提起しない場合には仮処分命令が取り消されることがあります。
(民事保全法37条3項)。

ただ、情報開示の場合は、
一度開示された命令が取り消しになることはまずありません。

既に知られてしまった情報を隠すことに意味がないからです。

誹謗中傷に関しては、1分1秒でも早く消したいものなので、
結果が出るのが早い仮処分を使うのが良いと思います。

では、改めて裁判所を使う意義についてお知らせします

第一の理由は、
開示に応じさせられる可能性が高くなることです。

前回のところでお伝えしたように、
裁判の手続きを使わなくても依頼を出すことはできます。

しかし、コンテンツ(ホスティング)・プロバイダが
開示に応じないことがあります。

そのような時には裁判所の命令がとても有効です。

裁判所の命令があれば、
コンテンツ(ホスティング)・プロバイダが
情報開示する可能性が高くなります。

他にもIPアドレスが保存されるというメリットがあります。

IPアドレスというのは、インターネットにアクセスした時に
プロバイダから割り振られる住所のようなものです。

住所がわかれば、どこの誰が書いたものなのかという
特定をすることができます。

しかし、インターネットにアクセスする人、
一人一人にIPアドレスを割り振るには数が足りません。

そこで、一人一人に決まったアドレスが与えられるのではなく
インターネットにアクセスする度に
あいているアドレスが割り振られます。

つまり、あなたは今インターネットに接続している訳ですが、
今、使っているIPアドレスと一旦接続を切った後で
もう一度接続をした時のIPアドレスは違っている
可能性が高いということです。

毎回違うかもしれないなら、
どうやってそのIPアドレスから接続した人を特定できるの?
と疑問に思われたかもしれません。

そこで重要になるのが、タイムスタンプです。

つまり、何年何月何日何時何分何秒にアクセスしたのかわかれば、
その時間にそのIPアドレスを使っているのは、ひとりだけなので
誰が使っていたのかを特定できることになります。

つまり、誰かを特定するには
IPアドレスとアクセスした時間の二つが必要ということです。

ここからが重要なところなのですが、
この大切な二つの情報には保存期間があるということです。

一定の期間が過ぎると、
この二つの情報は消えて無くなってしまいます。

保存の期間はプロバイダによって違うのですが、
多くのプロバイダがだいたい3ヶ月としてるようです。

3ヶ月以上経つとIPアドレスを含む
インターネットアクセスの情報が消えて無くなります。

そうなると、誰が書いたものか証明することは
ほぼ不可能となってしまいます。

通常の裁判手続きをすると
意見照会だけでも一ヶ月半とか掛かりますし、
相手が忙しいという理由で延ばされでもしたら
あっという間に3ヶ月以上経ってしまいます。

そもそも、投稿された瞬間に気が付くことは少ないと思いますので、
気が付いた時には既に投稿から1ヶ月以上経っていた
ということもあると思います。

そんな時に、1ヶ月以上も日数が掛かるかもしれない
手続きなんてしている余裕はないですよね。

しかし、裁判所が一定の理由があると判断すれば、
すぐに開示せよとの仮処分を出してくれることになります。

仮に仮処分がすぐにでないとしても、
こちらが申し立てを提出した時点で
プロバイダ側に裁判所から連絡がいきます。

その時点でプロバイダ側がログインの情報を保存しますので、
3ヶ月を超えても情報が得られるようになります。

このように仮処分の申請には多くのメリットがあります。

 

 

 

2.裁判所に仮処分を提出する

では、
仮処分の申請書を作る手順について説明をしていきます。

まず、仮処分を申請するには、
次の2つの説明をする必要があります。

①発信者情報開示請求権があること
②早急に決定がでないと回復できないような損害が生じる恐れがあること

「発信者情報開示請求権があること」については、
相手側が特定電気通信役務提供者であることの説明や
特定電気通信設備を保有していることの説明と
自分の権利が侵害されたことの説明が必要です。

自分の権利については、
裁判を使わない申請のところでもお伝えしていますが、

名誉権、プライバシー権、営業権など
基本的に不法行為になり得るものであれば、
何を書いても大丈夫です。

②早急に決定がでないと回復できないような損害が生じる恐れがあること

こちらは「保全の必要性」と呼ばれるものです。

先程、お伝えしたように多くのプロバイダが
ログ(アクセスした記録)の保存期間を3ヶ月程度としています。

この為、早急にIPアドレスやタイムスタンプを
開示してもらわないと情報が消えてしまい、
書き込みをした人物の特定ができなくなってしまいます。

なので、この点を指摘すれば大丈夫です。

発信者情報開示請求では、相手側を呼び出して
双方の意見を聴取する“双方審尋”という手続きを行います。

この際にプロバイダ側も争う構えでくることが多いので、
どのような根拠で請求しているのか、
なぜそれが正当な根拠と言えるのかなどを
裁判所にわかるように書く必要があります。

発信者情報開示請求仮処分は、プロバイダの所在地を管轄する
地方裁判所のみが出すことができると決まっています。

このことは、
民事保全法12条1項、3項 民事訴訟法4条1項で定めれています。

プロバイダの所在地を元に裁判所のウエブサイトで確認してから
担当区域の裁判所に申立書を提出するようにしてください。

管轄区域はこちらから確認をしてください。
http://www.courts.go.jp/saiban/kankatu/

申立書を受け取った裁判所は、
基本的にすべての案件において、債権者面接というものを行います。

これは、裁判官とあなたが面接をして
申請書の内容に不備がないかを確かめる為のもので、
不備がなければ債務者(プロバイダ)に呼出状と副本を送達してくれます。

東京地裁では、例外をまったく認めていないので、
必ず出廷する必要があるそうですが、

他の地方裁判所の場合には、
出廷しなくても良い場合があるようなので
遠方の場合は相談をしてみると良いと思います。

裁判所が申し立てに一応の理由があると判断した場合、
担保金(10万~30万程度)を条件に決定をしてくれます。

発信者情報開示仮処分命令申立書の雛形を探したのですが、
どうやらインターネット上にはないようです。

基本的に弁護士が作成する書類の為と思われます。

簡単に必要な要素を書いたものを用意しましたので、
こちらを参考にして頂ければと思います。

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3.ログの保存請求

プロバイダからIPアドレスやタイムスタンプの開示を受けたら、
次はインターネット・サービス・プロバイダに対して、
プロバイダ契約者の情報開示を求めます。

ただし、
インターネット・サービス・プロバイダがログを
保存している期間も3ヶ月程度ですので、
投稿されてから3ヶ月以内に開示請求を行う必要があります。

仮処分が出るまでに期限が来てしまいそうな時には、
事前にログの保存依頼をしておくようにしてください。

ちなみに、裁判を使わなくてもログの保存をしてくれる
インターネット・サービス・プロバイダは多いようです。

書式に指定はないので、
保存して欲しい内容がわかるようにして送れば大丈夫です。

記載例を紹介します。

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インターネット・サービス・プロバイダの中には、
裁判で命じられないとログを保存しないという方針をとっているところもあります。

このようなプロバイダ相手ですと、
裁判所から情報を開示せよとの仮処分が出たとしても
肝心のログが残っていないとなる場合があります。

そうならない為に、
裁判所からプロバイダに発信者情報の消去を禁止する仮処分を
出すように申請をしてください。

こちらも仮処分の申請ですので、
こちらに発信者情報開示請求権があるということと、
保全の必要があるということを主張するようにしてください。

こちらの仮処分については、
単にログを消さないでおくという程度のことだけということで、
インターネット・サービス・プロバイダに大きな負担を強いるものではないことから、
裁判所の判断も厳しくないことが多いようです。

一応の理由があると判断されれば、
10万円程度の担保金を条件に、仮処分の決定がされることが一般的です。

また、仮処分をしなくても、
ログの保存を受けてくれるプロバイダの場合は、

仮処分の申立てに対して、
一定期間は削除しないという内容の
和解を提示してくることがあります。

このような場合には、
担保金を供託する手間などを考えると
和解した方が得策なことが多いです。

ただ、滅多にありませんが、
こちらに不利になるような内容が入っていないか確認するようにしてください。

内容をきちんと確認した上で、問題がなければ和解をしてください。

 

 

4.まとめ

今回は裁判所の手続きを中心に説明をしてきました。

実際には、弁護士を立てて行うことになると思いますが、
弁護士費用が賄えるほどの金額が取れそうもないケースもあると思いますし、
担当の弁護士が詳しい人かどうかの判断の為にも
ご自身の知識を増やしておいた方が良いと思います。

サイバー自警団には、
インターネットに詳しい弁護士が複数在籍していますので、
ご不明の点がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

相談だけでしたら無料で行っていますし、
完全成功報酬での対応をしています。

お金の心配よりもご自身や周りの方の問題解決を
大事にしてください。

次回は、開示されたIPアドレスから
投稿者を見つける方法をお伝えします。

 

 

 

 


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