「出会い系」と「法律」の相性は?―未成年者を保護するための或る法律(後編)―

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前半では、
出会い系サイトを利用した出会いから始まる様々な被害と、
その実態について見て来ました。

そして、当初このテーマの対象法律だと思っていた
「出会い系サイト規制法」だけでは解決しない問題が多いことを知り、
性的な被害が発生した時にどんな法律があるのかを知っておいた方がいいと考え、
ここではいくつかの法律について取り上げて調べてみることにします。

・出会い系サイト規制法
・売春防止法
・プロバイダー責任制限法
・リベンジポルノ被害防止法

ここでは、「IT被害」を大きくとらえるのではなく、
あくまで男女の出会いによって被害が出たという実績を考慮して、「出会い系被害」に的を絞って、
どんな男女間トラブルがあった場合はどんな法律があるのかを概観してみたいと思います。

大きく分けて上記4つの法律について触れて行きましょう。

ただし、
明らかな被害は弁護士さんをはじめとする法律相談をすることをお勧めします。

そして、何かトラブルが発生する前に、
相手の属性に関する情報を入手しておくことをお勧めします。

もし、名乗るのを嫌がる相手だったら、
関係を持たない方が賢明です。

あまりスラスラ名乗るのも偽名の可能性が高くなり信頼性はないかも知れませんが、
ある程度、相手を知らずに行為に及ぶのは危険度が高過ぎるように感じます。

もっとも、50代の友達にそう言ったところ、
どこの誰かもわからない異性と関係を持つ刹那性の楽しみもあるんだから、
そんなに被害のコトを考えて、
お互いの個人情報を先に知らせるなんて邪道だと叱られてしまいました。

その辺にトラブルが絶えない事情が潜んでいるのかも知れません。

 

zikeidancta

男女間のトラブル時に知っておくべき法律

①出会い系サイト規制法 
当法律は、出会い系サイトの利用に起因する児童買春その他の犯罪から児童を保護し、
もって児童の健全な育成に資することを目的としています。

この法律における児童とは、
18歳未満の少年少女のことを指します。

この法律が規制するのは業者側です。

つまり、インターネット事業者です。

インターネット異性紹介事業とは、
次の4要件をすべて満たす事業を指します

①面識のない異性交際希望者の求めに応じてそのユーザーの異性交際に関する情報を
インターネット上の電子掲示板に掲載するサービスを提供していること。

②異性交際希望者の異性交際に関する情報を公衆が閲覧できるサービスであること。

③インターネット上の電子掲示板に掲載された情報を閲覧した異性交際希望者が、
その情報を掲載した異性交際希望者と電子メール等を利用して相
互に連絡することが出来るようにするサービスであること。

④有償、無償を問わずこれらのサービスを反復継続して提供していること。

 

*出会い系サイト規制法の目的

正式名称は、
「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」と言います。

平成15年に制定され、
平成20年に出会い系サイト事業者に対する規制の強化を図るため、
同法の一部が改正され平成20年12月1日から施行されています。

まず、この法律の目的から見て行きましょう。

この法律は、掲示板に児童を相手方とする
異性交際を求める書き込みをすることは禁止されています。

出会い系サイトの掲示板に児童を性交の相手方とする交際を求める書き込みをした人や、
児童を相手方とする金品を目的とした異性交際を求める書き込みをした人は、
処罰の対象となります。

そして、
児童が出会い系サイトを利用することは認められていません。

インターネット異性紹介事業者(サイト運営側)は、
届け出、利用者が児童でないことの確認、
禁止誘引行為に係る書き込みの削除等の義務があります。

プロバイダ等(出会い系サイトに必要な電気通信役務を提供する事業者)は、
フィルタリングサービスの提供等に努めなければならないこととされています。

児童の保護者は、
フィルタリングサービスの利用等に努めなければならないこととされています。

上記の法律を見て行くと、
未成年者保護の観点から作られている法律であることがよくわかります。

しかも、水際で処理しようとする法律であることから、
罰則に関しても児童誘引に関しては懲役1年以下か100万円以下の罰金、
あるいは併科するという旨が記載され、
事業者は懲役6月以下ないしは100万円以下の罰金、そして違反項目によって、
100万円以下、30万円以下、20万円以下、10万円以下というふうに罰金刑が記載されています。

この法律では、
婚活サイトや出会い系アプリ等は一緒に処理されているのか調べてみると、
出会い系サイトと電子掲示板が一緒の扱いになっているものの、
婚活サイトと出会い系アプリは同じカテゴリーではないことがわかりました。

これはシステムの違いによる部分で違う事業と考えられているようです。

また、弁護士によっては、
掲示板とも出会い系サイトは分けて考えている人も居るようです。

根拠は1対1の通信ではないことが挙げられています。

出会い系アプリの場合は、同一アプリを使った出会い系の場合、
電話番号やメールアドレス、IDを掲載しても、
事業者が通信役務を提供しているとは言えないので
「出会い系サイト」に該当しないと考えられているようです。

婚活サイトに至っては、お互いに登録する段階で、
身分を証明しているだけでなく、相手側からの提案に、
フェイスブック等でいいね!を押してからでないと会う段取りには進まない等の手順があり、1対1の通信を含まず、
「出会い系サイト」に該当しないような作りになっているという判断ができるようです。

ところが悪質な被害の多くは出会い系を名乗らずに使われている掲示板や、
出会い系アプリによる被害も多いことから、規制は強化される傾向にあるものの、
通信の自由を奪われたくない勢力もあり、
なかなか思うような成果は上がっていないことが問題視されています。

数量的には古くて申し訳ないのですが、警視庁のデータによると、
掲示板等への投稿をきっかけに児童買春等の被害に遭った18歳未満の少年少女は、
2013年上半期だけで117人に上り、前年1年間の36人から3倍以上に急増したしたことから、
下半期も相当数に上る可能性が指摘され、規制のかけやすい出会い系サイトとして、
届け出のあった業者を締め付ける形で手を打った感が否めません。

また、「異性紹介事業」という名前からもわかる通り、
最初から「同性」に関する規制はありません。

したがって、
「出会い系サイト規制法」は、
弁護士の間ではザル法として知られているのが実際です。

 

 

②売春防止法

この法律は、制定された直後、
罰するより保護・養護すべき法律であることから罰則規定がありません。

したがって、女性は、
事情聴取されて調書が取れれるくらいのものです。

同様に買った男性もあまり厳しい罰則はありません。

厳重注意くらいです。しかし売春をさせた側は重い罪に問われます。

組織売春や強制売春等の管理売春は厳罰だと考えてください。

ただ、時代の問題で懲役は7年以下の罰則であるにもかかわらず、
罰金が30万円なのはなぜか調べたところ、制定時の平均月収が3万円程度であり、
今の金額にすると300万円くらいだと考えられます。

管理売春は、
とても重い罪として認識されていることを覚えておいた方がいいでしょう。

この法律は、制定された直後、
罰するより保護・養護すべき法律であることから罰則規定がありません。

したがって、女性は、
事情聴取されて調書が取れれるくらいのものです。

 

 

③プロバイダ責任制限法 

このインターネットが、
通信の方向性を画期的に変えたことは今更言うまでもありません。

通信か、放送か、という議論が、
インターネット草創期にはよく行われていました。

インターネットを今やメディアとして扱うのは当たり前になっていますが、
通信は1対1の連絡方法、放送は1対多のメディアである、
と言っていた時代が懐かしくもあります。

インターネットは1対1を多数つなげることが出来るメディアとして使われるようになり、
オウンドメディアと言われるようになって久しい訳ですが、
それゆえ、被害者は損害賠償請求権の行使に情報発信者の氏名や住所等が必要である場合をはじめ、
正当な理由がある場合には、プロバイダに対して情報開示を求めることが出来ることを、
この法律で定めています。

正式名称は
「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」と言います。

インターネットでプライバシーや著作権の侵害があった時に、
プロバイダが負う損害賠償責任の範囲や、
情報発信者の情報の開示を請求する権利を定めた法律で、
2001年11月22日に衆議院本会議で可決・成立したものです。

業者に関する法律なので、詳しい記述はしませんが、
従来の法体系はインターネットのような情報環境を想定していなかったため、
権利侵害をしている事案に対してプロバイダや掲示板の主催者等を当事者として扱うのか、
どのような責任を負うのかといった点が明確に決められていなかったので、
これを定めることがこの法律を制定することになった目的の一つです。

 

 

④リベンジポルノ被害防止法

正式名称は
「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」と言います。

元々は、付き合っていた時に撮った画像を別れ話が出た時に
「あの写真をネットでバラまくけど、それでも別れるの?」
と脅迫して相手をつなぎとめようとする行為から、この名称で呼ばれていますが、
昨今では、この写真を脅迫ネタに相手を恐喝する例も増えて来ています。

被害者は大多数が女性だったのですが、
男性で脅迫される例も増加しており、「逆リベンジポルノ」と言われています。

このわいせつな画像を撮られたことがある、
という女性は6人に1人という高確率なデータがあります。

今回、前編のインタビューで、インタビュー終了後に雑談として話した中で、
ほぼ男女とも肉体関係を持った相手とのその時の写真・動画を持っていると答えた人は、
なんと80%を超えていました。

軽い気持ちで撮影して、後で苦しまなくて済むように、
日頃から注意しておきましょう。

特に、女性の場合、
行為が終わってぐったりしている時にスマホを向けられると、
つい撮らせてしまう傾向が強いようです。

お互いに信頼できる関係が築けるまでは注意した方がよさそうです。

この法律だけで、一つの記事として独立して書けるほど、
なぜこういう事件が起きるのか、
出会い系で出会っただけでなぜこういった画像が撮られることになるのか等、
切り口がたくさんあって、非常に長くなりそうなので、
今回は敢えて、ここまでで止めておきます。

誰でも被害者になり得ることを肝に銘じてください。

出会い系は、手軽さや便利さゆえに、
落とし穴もたくさんあります。

後悔しなくて済むような人生の歩き方を心掛けたいものです。

 

 

 


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